4 お願いとガイド:街中などで盲導犬ユーザーと盲導犬に出会ったら
盲導犬はそのおだやかな性格に加え、むやみに人に吠えたり人を咬んだりしない習慣を身につけていますので、街中などで盲導犬を見かけても、恐れたり慌てたりせず、温かく見守ってください。
また、おちついて「仕事」をしている盲導犬に対し、盲導犬ユーザーにだまって触れたり声をかけたり、あるいは食べ物をあたえたりすると、盲導犬の注意が散漫になり、盲導犬ユーザーはたいへん困惑してしまいます。
なお、ハーネスを着けている盲導犬は、いかなるときでも「仕事」中です。バスの車内でおとしなしく伏せているのも、街中でしずかに座って盲導犬ユーザーからの「コマンド」を待っているのも「仕事」の一つです。
一方、盲導犬ユーザーに限らず、視覚に障害のある方は、自らが周囲の音をたよりにとらえる交通信号表示の識別や、頭の中の地図にもとづく歩行経路の把握に戸惑うことがありますので、青信号を待っている視覚に障害のある方に出会ったり、現在地や目的地の把握に困っているような場合は、援助を申し出ていただきたく思います。
『お願いとガイド』では、そうした援助における注意点を申しあげます。
4-1 説明や誘導を申し出ていただく場合
視覚に障害のある方への援助をしていただける場合は、視覚に障害のある方自身やその持ち物にいきなり触れたりしないでください。また、白杖やハーネスには絶対に触れないでください。もしもコマンドをご存知でも盲導犬に直接指示を出すこともしないでください。これらはマナー違反になるだけではなく、危険につながるおそれもあります。
まず視覚に障害のある方に「なにかお手伝いすることはありますか?」などのかたちで援助が必要かどうかをたずねてください。
援助の仕方には、視覚に障害のある方に同行しない説明と、視覚に障害のある方に同行する誘導があり、また誘導には、「手引き」による誘導と、口頭による誘導がありますので、視覚に障害のある方の要請に応じたかたちでの援助をお願いいたします。
4-2 説明の場合
説明の場合は、「あちら」や「すこし」といった、あいまいな表現ではなく、視覚に障害のある方の位置から「右、左、何時の方向(*11)、前、後、約…メートル」といったかたちで具体的に説明してください。
この説明の仕方は、視覚に障害のある方の方から場所についてたずねられたときも同様です。
4-3 誘導の場合
「手引き」による誘導の場合は、盲導犬ユーザーがハーネスを持っていない側(白杖で歩いている方の場合は白杖を持っていない側)の半歩前に立ち、後ろからひじや肩を軽くつかんでもらってください。
そして狭いところや人ごみを通るさいは、その状況を伝え、ひじをつかんでもらっている場合には背中に回し、視覚に障害のある方に自分の一歩後ろに入ってもらってください。
誘導中の主だった注意点には、
- 道路を横断したり、歩行場所に段差があるときはそのことを伝えてください
- 交通信号がある交差点を渡るさいはたとえ信号表示が青でも一旦停止してください
- 階段やエスカレーターの前では一旦停止して、上りか下りかを伝えてください
- バスや電車への乗車やドアの通過、トイレの使用では、要所となる部分を直接、視覚に障害のある方の手に触れさせてください
などがあります。
口頭による誘導の場合は、視覚に障害のある方の横・半歩後ろを歩き、「まっすぐ」「ここを右」などと言葉で誘導してください。
いずれの援助の場合も、別れるさいには現在の位置や視覚に障害のある方が向かう方向をはっきりと伝えてください。
*11 このようなかたちでの方向の示し方をクロック・ポジションといいます